草木灰やくん炭はいずれも良質な土壌改良材であり、また肥料でもあります。酸性土壌の修正や古くなった用土の再生、またカリや微量要素の補給などの効能があります。昔から畑の片隅で作られており、市販されている「もみがらクン炭」は稲刈り後の田んぼで燻蒸して作っているのと同じモノです。
作り方は簡単で、草木を燃やした炭が草木灰、燃やさずに燻蒸した炭がクン炭です。我が農園では、山を開墾して出た切株や根・草を燃やし、残った白や黒の灰・炭が混ざったものを草木灰やクン炭としてそのまま開墾地に投入しています。廃棄物がそのまま良質の土壌改良材兼肥料となるのですから、こんな都合のいい事はありません。
私が燃やしていると、前出の元農家氏が「火を消さずに燃やしておけば、いい肥料になるよ、石灰の代わりになるよ」っと教えてくれました。農家の方は、理屈でなく経験で知ってるんでしょうね。
ところが近年、環境汚染が問題となり、野焼きが禁止になってしまいました。低温で塩化ビニルを燃やすと猛毒のダイオキシンが発生するため家庭でゴミを燃やす事も禁止で、高温で燃えるように設計された焼却炉を購入し利用する必要があります。いづれにせよ、住宅地で一斗缶を使い、黒煙を上げてゴミを燃やせば近所迷惑であることは明かで、簡単に「燃やして肥料を作ろう」っと言う訳にはいかなくなりました(私が小さい頃は、どこの庭先でも一斗缶で庭木の剪定ゴミを燃やしていたんですが)。もちろん例外規定もあって、「農業・林業または漁業を営むためにやむを得ないものとして行われる廃棄物の焼却(例:農業者が行う稲わら・みかん剪定枝等の焼却、林業者が行う 伐採した枝等の焼却)」とされており、山奥で小さな農園を作っている我が家は、一応罰せられる事はないようです。
一律に野焼きを禁止することも必要だと思うし、また禁止された事を知っている方も多いと思います。しかし、「何故禁止されたのか」「何故農業従事者が燃やすのか」「何をどう燃やしたら危険物質が発生するのか」周知されてらず、理解されてない方も多いのではないでしょうか。私が山を開墾し、利用価値のない切株や大きな木の根・笹などの雑草を不要物として廃棄すると、大量のゴミとなって焼却処分され、灰は産業廃棄物として埋め立て処分されます。しかし、自分で使うために管理して燃やせば、良質な肥料としてリサイクルされるのです。農業従事者の方が田んぼでもみ殻を燻蒸しているのも、「くさい臭いを出して燃やしている」のではなく「もみ殻を肥料にリサイクルしている」と理解すれば、見る目が変わるのではないでしょうか。少なくとも私には、うらやましくて仕方がありません。
もちろん、肥料が入っていたビニールの袋を同時に燃やせば植物にとって有害となりますから、絶対に燃やしてはいけません。ダイオキシンを発生するのはビニール(塩ビ=塩化ビニル)ですが、ポリの袋・種の袋などコーティングされた紙・カラー印刷された紙なども有害物質が出る可能性がありますから、自治体のゴミ収集に出すのが賢明だし、マナーだと思います。
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